金属スクラップ図鑑

込銅とは?

込銅とは?
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込銅とは?

「込銅」とは、金属スクラップ買取において、銅の品質を表す際に使われる用語で、その純度が比較的低く、さまざまな付着物が存在する銅を指します。具体的には、メッキや錆、真鍮の混入、溶接跡、油やビニールなどの付着物がある銅を指します。このため、込銅は他のより純度が高い銅(上銅、並銅など)に比べて価値が下がる傾向にあります。

なぜなら、これらの不純物や付着物を取り除くためには追加の処理が必要となり、それがコストとなってしまうからです。また、それらの付着物が混ざったままの状態では、銅の性質を最大限に活かすことが難しくなります。たとえば、電気伝導性が低下するため、電線としての使用に制限が出てくる可能性があります。

また、込銅は劣化や付着物が多いため、リサイクルする際には専門的な技術や設備が必要となります。そのため、リサイクル業者は込銅を買い取る際には、そのコストを考慮して価格を設定します。これらの理由から、込銅は上銅や並銅と比べて買取価格が低くなる傾向にあります。

込銅の買取相場について

込銅が上銅や並銅に比べてリサイクル買取時に買取価格が下がる主な理由は、純度の低下と処理の手間の増加によるものです。

まず、込銅はメッキや錆、真鍮、溶接、油やビニールなどの付着物があります。これらの付着物により、純度が低下します。銅の価値はその純度に大きく左右されるため、純度が低下すると価値も低下します。このため、買取価格が下がる傾向にあります。

また、これらの付着物を取り除くための処理が必要となります。取り除くプロセスは、手間がかかるだけでなく、設備やエネルギーを必要とし、これらのコストも買取価格に反映されます。

さらに、メッキや真鍮、溶接などは銅本体と混ざり合っているため、これらを完全に分離することは非常に困難で、100%純銅を回収することが難しい場合もあります。その結果、リサイクルされる銅の量自体が減るため、買取価格が下がると考えられます。

このように、込銅は純度の低下と、リサイクルに際しての手間やコストの増加から、上銅や並銅と比べて買取価格が下がる傾向にあります。

銅の被覆を剥くコストについて

込銅は、ビニールなどの付着物を手作業で除去することで並銅と同等の品質に向上する可能性があります。ただし、そのプロセスには複数のコストが伴います。

①人件費:手作業による除去プロセスには専門的な技術が必要であり、それを行うための労働者への報酬がコストとして発生します。また、除去プロセスは時間がかかり、その間の労働者の時間もコストとなります。

②設備コスト:付着物を除去するための専用の道具や保護装置などが必要であり、それらの導入と維持にも費用がかかります。

③廃棄物処理コスト:付着物を除去した後、それらを適切に処分するためのコストも発生します。これは環境法規に準じた処理が必要で、それがさらなる費用を引き起こします。

これらのコストを考慮すると、付着物の手作業による除去はコストが高くなる可能性があります。そのため、買取価格が上がったとしても、その上昇分がコストを上回るとは限りません。

実際には、各リサイクル業者が、手作業による除去のコストと改善された銅の品質による買取価格上昇分を詳細に計算し、どちらが経済的に有利かを判断することになります。その結果、手作業による除去が行われるかどうかは、事業者の独自の判断によるものとなります。

まとめ

以下、込銅と、その他の銅との違いを解説します。

まず、「上銅(上故銅)」とは、最も純度の高い銅を指します。表面に劣化や付着物がほとんどなく、素材としての性質が損なわれていないため、電気伝導性や熱伝導性が優れています。そのため、電線や電子部品など、高品質を求められる用途に使用されます。リサイクル買取時には最も高い価格がつけられます。

次に、「並銅(並故銅)」です。これは上銅に比べるとやや劣化や付着物が見られる銅を指します。そのため、純度は上銅よりも若干低いですが、それでもまだ高品質な材料として使われます。リサイクル買取時の価格は上銅に次ぐものとなります。

「込銅」は、銅の純度がさらに低く、メッキや錆、真鍮、溶接、油やビニールなどの付着物が存在します。これらの付着物により銅の性質が損なわれ、純度が低下します。そのため、込銅は電気伝導性や熱伝導性が低下し、一部の用途には適さなくなる可能性があります。リサイクル買取時の価格は、上銅や並銅よりも低くなる傾向にあります。

最後に、「下銅(下故銅、2号銅)」です。これは最も純度が低く、劣化や付着物が最も多い銅を指します。下銅は、大量の不純物により銅の性質が大きく損なわれ、用途も限定的になります。リサイクル買取時の価格も最も低くなります。

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